ビジネスホテルに泊まると、必ずといっていいほど目にする「ユニットバス」。見た目はシンプルでも、そこには驚くほど高度な設計と技術が詰まっています。
実はこのユニットバス、日本だけでなく世界各国でも需要が拡大しており、グローバル市場では日本勢に加え、欧米やアジアの企業も台頭してきています。
今回は、ユニットバス市場で世界的に活躍する企業や、日本メーカーがなぜ“世界一”と称されるのかに迫ります!
ユニットバスの世界市場とその動向

ユニットバス(Modular Bathroom Unit, Prefabricated Bathroom)は、建築現場での作業を減らし、工期短縮・品質安定・水漏れ防止などの利点があることから、欧州・北米・アジアなどでも導入が進んでいます。
特に注目される分野は以下の通り、様々な場所でニーズがあります。
• ホテル・ホステル
• 学生寮・シェアハウス
• 病院・介護施設
• モジュール住宅・コンテナハウス
日本発祥のユニットバス技術は、今や世界標準に近づきつつあると言っても過言ではありません。
世界市場で活躍する主なユニットバスメーカー(グローバル視点)

1. LIXIL(日本)
世界的な住宅設備メーカーで、ユニットバス製造台数・導入実績はトップクラス。アジア諸国や北米への展開も強化中。特にホテル・集合住宅向けに強い。
以前のトステムやINAX、新日軽が統合してできたメーカーです。私は日本人なので住宅に関する設備では一番有名なメーカーとの認識です。
2. TOTO(日本)
トイレのイメージが強いが、ユニットバスでも世界展開。別会社のTOTOバスクリエイト株式会社が設計・製造しており出荷台数は1,000万台を突破しているようです。中国やアメリカなどでもシェアを伸ばしている。
3. Panasonic(日本)
電気製品や住宅のイメージが強いですが、住宅設備部門では、モダンで高機能なユニットバスを展開。東南アジア圏での展開が進んでいる。サイトでは集合住宅や一般住宅用のユニットバスが確認できます。めちゃめちゃカッコイイ!興味がある人はぜひ!
4. Hydrodiseno(スペイン)
2005年からスペインを拠点に活動しておりヨーロッパでのユニットバス供給で急成長中の企業。特にホテルやホステル向けにデザイン性の高い製品を提供。プレハブ用のバスルームにはかなり力を入れているようです。また女性の雇用や環境に優しい材料を使用するなど企業イメージが良いですね。
5. Offsite Solutions(イギリス)
イギリスを中心に欧州圏で普及しているモジュールバスルームの大手メーカー。賃貸物件やプレハブ住宅、大型建築物向けに強い企業。導入先には学生寮もあります。配管や電源などがすべて工場で準備されオフサイト建設に役立つユニットバスが強みのようです。
6. Bathsystem(イタリア)
ヨーロッパ各国に納品されるユニットバスを設計・製造している企業。年間生産能力は12,000ユニットと多く住宅やホテル、空港・大学・病院などにも多く導入されているようです。品質第一を企業理念としており超軽量のスチールフレームポッドが商品としてHPに掲載されています。
7. SFA Group(フランス)
家庭用ポンプや水処理施設など、水関連の商品を多く製造販売する企業です。経済的で効率的な小型水回り設備に強く、ユニットバス製品ではリノベーション用途で人気です。特にパリを中心とした都市型物件に強い。カンボジアの学校に飲料水アクセスのための寄付金を行うなど持続可能な社会への取り組みに積極的な企業のようです。
なぜ日本製のユニットバスは“世界一”といわれるのか?

• 技術力の高さ:水漏れ防止、断熱、排水性能など細部まで高品質
• 清掃性・メンテナンス性:一体成型で汚れがたまりにくく、掃除しやすい
• コンパクトで美しい設計:狭いスペースに機能を凝縮する日本の美意識
• 豊富な実績:ビジネスホテル・マンション・公共施設における大量導入の実績
特にLIXILやTOTOの製品は、海外ホテルチェーンにも導入されている例が多く、日本製ユニットバスは「高機能でコンパクト」な世界基準として評価されています。
まとめ:世界を見ても、日本のユニットバスはやっぱりスゴイ!

ビジネスホテルで使われているユニットバスの裏側には、日本企業の技術と誇りが詰まっています。
しかし、世界に目を向ければ、ヨーロッパやアメリカにも独自の発展を遂げた企業があり、グローバルな競争が繰り広げられているのです。次回ホテルに泊まったときには、「このユニットバス、どこ製だろう?」とちょっと気にしてみてください。
きっと、見慣れた空間がちょっとだけ特別に思えてくるはずです。
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