出張や一人旅でおなじみの「ビジネスホテル」。最近では観光客や外国人にも人気があり、ビジネス利用の枠を超えて多様化しています。そんなビジネスホテルですが、皆さんは「価格がどれだけ変わってきたか」をご存知でしょうか?
今回は、ビジネスホテルの宿泊料金が約20年前、10年前、そして現在でどう変化してきたのか、物価やサービス内容とあわせてわかりやすく振り返ってみましょう。
約20年前(2000年代前半)
ビジネスホテルの1泊料金は、3,000円〜6,000円程度が相場でした。
当時は、
• 部屋は狭く、ベッドとテレビ、簡素なユニットバス
• 無料Wi-Fiは未導入(有線LANやネットなしのところも)
• アメニティも必要最低限(歯ブラシ・タオル程度)
という「最低限寝泊まりできる場所」という位置づけ。
「東横イン」や「スーパーホテル」などが、全国に拡大し始めた時期でもあり、都市部では一泊5,000円前後で泊まれるホテルが豊富にありました。
朝食付きプランは稀で、有料の軽食や近隣のコンビニが主流。
宿泊そのものの価格は安かったですが、快適さはやや犠牲になっていた印象です。
おそらくですが、現在のビジネスホテルとは全然違うイメージだと思います。
約10年前(2010年代前半)
この頃になると、インバウンド需要が徐々に増え始め、ホテルの質と価格のバランスが変化してきました。
相場は4,000円〜8,000円程度に上昇。
ただし、上がった分、設備やサービスも改善されています。
• 無料Wi-Fiの導入が当たり前に
• 朝食無料サービスが増加(パン・コーヒー程度)
• 枕の選択サービス、加湿器など貸出備品が充実
• 防音性やベッドの質が向上
さらに、「リッチモンドホテル」や「ドーミーイン」など高品質系ビジネスホテルが人気を集め始め、「ちょっと贅沢なビジネスホテル泊」も市民権を得ました。
価格帯が広がり、「安いけど最低限」から「少し高めでも快適」まで、選択肢が増えた時代といえます。
現在(2020年代〜2025年)
現在のビジネスホテルの価格は、5,500円〜12,000円程度が主流。
特に都市部や土日、繁忙期は1泊15,000円を超えることも珍しくありません。都市部では平日でも予約が取れないことも最近多いです。円安によるインバウンドで外国の方の宿泊が増えて、業界として値上がりしていると思われます。
その背景には以下の要因があります:
• 人件費・光熱費の高騰
• インバウンドの回復と観光需要の拡大
• 客室のリニューアルや高機能化(スマートTV、USBコンセント、ワークスペース付き)
• SDGsに配慮したアメニティの見直し・有料化
最近は「ビジネスホテルなのに天然温泉付き」「サウナ付き」「カフェ併設」など、もはや“シティホテル並み”の設備を誇るところも増えています。
例えばドーミーインでは大浴場・夜鳴きそば(無料ラーメン)などが大人気で、価格が10,000円を超えてもリピーターが多いのも納得です。
価格だけでなく「質」も進化している
20年前の「寝るだけ」から、現在の「仕事もリラックスもできる空間」へ。
価格は確かに上がっていますが、提供されるサービスの質も比例して向上しています。
また、最近では「ワーケーション」「サブスク型宿泊」など新しい利用スタイルも登場し、価格だけでは比べられない価値も求められるようになっています。
まとめ:これからのホテル選びは「価格+体験」
ビジネスホテルの価格は、
• 20年前:3,000〜6,000円
• 10年前:4,000〜8,000円
• 現在:5,500〜12,000円以上
と着実に上昇していますが、その分快適さ・機能性・サービスも進化しています。
これからホテルを選ぶ際は、単に安さだけでなく、自分が滞在中に何を重視するか(静かさ、食事、リモートワーク、癒しなど)を考えて選ぶのが失敗しないコツです。
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